土佐包丁工房 田所刃物

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原点は赤毛のアンと大草原の小さな家。

「なんか違う」の積み重ねが今の私。

小島喜和さん/テーブルトップディレクター

〈プロフィール〉

高知県生まれ

大学卒業後会社勤務を経て、アメリカ・フランスの製菓学校で製菓・製パンを学びディプロマを取得。

帰国後、都内製菓教室に通い指導者コース終了。

同時期、フラワーアレンジメント・テーブルコーディネートを学ぶ。

都内レストラン製菓部門勤務後、1998年故郷の高知にて洋菓子教室、フラワーアレンジメント教室をスタート。

2000年都内自宅にて洋菓子教室スタート。

2003年4人の友人とともに、新宿区西落合にCake Shop "Tee'S"オープン。(東日本大震災をきっかけに思うところあって2012年:閉店)

現在は料理教室や執筆活動を通して作り手と消費者を繋ぐ架橋としての役割に邁進中。

 

▶連載

『小島喜和の心ふるえる土佐の味』高知新聞社フリーペーパー「K+」

 

▶受賞

「和の台所道具おいしい料理帖」/2017年グルマン世界料理本大賞

シングルサブジェクト部門世界第2位受賞/日東書院本社

「四季を愉しむ手仕事」2018年グルマン世界料理本大賞3位受賞

Q. 小島さんの今に至る食のルーツは?

こっちに(高知)に帰ってきた時はほとんど外食しないんですよ。何でかなって思ったら、外食で食べられるものは自分で作れる。でも母が作るものは自分で作れない。なので自宅でご飯を食べる。40歳ぐらいの時にそれに気がついて、そしたら日本の食文化とか、母や祖母が当たり前にやってきてたことが、「あっ!私知らないことがいっぱいある」って思って足元をすごいすくわれた感じがして。郷土料理とかお母さんの味ってそれぞれの土地の風土に根付いてて、それを上手に活かしてて、都会の食とは全然違う。これは日本のお母さん達が昔からしてた流れるような生活、滞りない生活っていうのは、実は今これが大事だよねって気づいて。

そんな中3.11を東京で経験して、ハッていうか、お菓子の方からグググってそういう方に変わりました。

 

Q.今度出版されるお味噌の本もそうしたことから?

そうですね。でも私が今すごく引っ掛かってるところは、私たちは単純に未来に残さなくちゃいけない尊いものだと思っていても、例えば政府は別にそういう風に思ってなかったり、県は思っていなかったり、町は思ってなくてっていう場合は協力を全然してくれないじゃないですか。私って、これって別に儲かったりするわけじゃないのに、頼まれてもないのにどうしてやってるのかなって思うことが最近よくあって。だけど味噌屋さんのお父さんみたいな人に出会っちゃうと「やっぱりやります!」みたいな気持ちになるけど、でもボランティア的にやってるところは本当はダメで、ちゃんと企業として成り立ってそういうことを援助できるように、ちゃんとこれも成り立っていけるようにしていかないと長続きしないのじゃないかなっていうのが目下の目標。

 

Q.小島さんの目指す人物像や将来像についてお聞かせください。

関わり合いを持って生きるっていうことかな。関わらないで生きるんじゃなくて、ワザと人とか関わりながら生きる。

例えば作り手がわからないモノって簡単に捨てたりできるけど、実際に会ったりしてこの人が作ったのかって思うと自然と愛着が出てきて、重箱の隅まできれいにして使うっていう気持ちも出てくるっていうか、そこが他人事じゃなくなっちゃう。

作っている人の顔を描きながら、感謝しながら生活していくというのをみんなもっとやるともっと世の中円滑に、なんか、他人事じゃなく生きていけるんじゃないかと思うところはあります。見えないとそういう部分が断絶してどうしてもぞんざいになるから。今そういうものがすごく多い。

だからあえて行かなければ会わない人に会う。

それが私の場合お醤油の作り手さんとかお味噌の作り手さんとかそういう人に会いに行くんですけど、そしたら今度はお味噌の桶って誰が作ってんだろうってなって広がっていく。どんどん巻き込んで、巻き込まれていくっていうのが今は心地いい。

 

〈インタビューを終えて〉

赤毛のアンと大草原の小さな家に出てくるお菓子への憧れから始まった少女の夢は様々な経験の中で「何か違う」を繰り返し、その都度自分らしさを求めて軌道修正しながら故郷の食と暮らしに辿り着く。大事なものに気づいたり見失わなかったのは、田舎の心がこもった豊かな暮らしのお陰なのではないだろうか。人は誰でも何かに迷い悩みつまずく。その時どう感じ考えるか、どう行動するのかはどれだけ真剣に正しく自分の内面と向き合っているかによると思う。自分の内面に反する「何か違う」を恐れることなく受け入れ歩み続ける小島さんの強さと柔軟さは少し赤毛のアンに似ているかもしれない、と思ったり。

インタビュアー 合田裕子(じゃぱかる)